FAQ
よくある質問
超硬合金とは
- Q.超硬合金と鉄との違いはありますか?
- A.
大きな違いとしましては、超硬合金は鉄よりも硬く、また、ヤング率は約3倍、熱膨張率は約半分の特徴を有しております。こういったことから、耐摩耗性が高く、弾性変形しにくく、熱変形が小さいことから、製品の寸法精度が必要な鍛造金型等に超硬合金は使用されております。
- Q.超硬合金は何に使われるのですか?
- A.
金属を除去加工する切削工具や、変形加工させる金型に使用されています。
- Q.超硬合金を使う利点は何ですか?
- A.
耐摩耗性が高いことから工具や金型の寿命を延ばすことです。
- Q.超硬合金の酸化が始まる温度は?
- A.
コバルトの酸化が約300℃より始まり、WCの酸化が約600℃から急激に進みます。上記となる事で合金強度が低下し破損の要因に繋がります。
形状や外観について
- Q.超硬合金は材種によってなぜ色が違うのですか?
- A.
結合金属の量によって異なり、結合金属の量が多い材種ほど薄いグレー色になります。
- Q.超硬はどのサイズまで作ることができますか?
- A.
製作可能な最大サイズは材種、丸形状(径×高さ)、角形状(縦×横×高さ)、加工形状など条件により異なりますので営業までお問い合わせ下さい。
- Q.複雑な加工もあると思いますが、どこまで加工できますか?
- A.
製作可能な加工形状は材種、サイズ、丸形状、角形状など条件により異なりますので営業までお問い合わせ下さい。データ支給頂いてのマシニング加工も出来ます。
材質選定について
- Q.焼き付きを防ぐにはどのような超硬を選べばいいのか?
- A.
焼き付きは超硬合金に含まれるコバルトの親和性が大きな要因となります。
その場合は、コバルト量の少ない材種、タングステンの粒径が小さな材種などの選択を行いますが、靭性は低下するため脆くなるという課題も出てきます。
弊社ではその対策として、耐焼き付き用材種としてPシリーズ(低摩擦合金)もラインアップしておりますので、是非お問い合わせください。
熱処理について
- Q.全製品に対してHIP処理は可能ですか?
- A.
弊社は全製品に対しHIP処理を施しております。
高圧が不要な材種につきましては低圧HIPを行っております。
加工や表面処理について
- Q.超硬合金は何で加工しますか?
- A.
ダイヤモンド砥石を使用した研削加工やワイヤーや電極を使用した放電加工で行います。
- Q.超硬合金にコーティングはできますか?
- A.
できます。コーティングにはCVD(化学蒸着)とPVD(物理蒸着)に大別できますが、どちらの方法でも実績はあります。
主な欠陥とは
- Q.「巣」とはどういったものでしょうか?
- A.
巣は合金中に存在する空隙のことで、「Pore(ポア)」とも呼ばれ材料欠陥の一つです。
合金中に巣が存在すると、硬度や抗折力等の特性が低下致します。
- Q.「イータ」とはどういったものでしょうか?
- A.
イータは、η相と記載致します。超硬合金の主成分はWC-Coですが、このうちCが多くても少なくても脆くなります。η相はCが少なくなった場合に複炭化物(W3Co3C)が合金中に析出し合金の抗折力や圧縮強度等の特性が低下致します。
安定供給への取り組み
- Q.レアメタルだけど、安定供給出来るの?
- A.
安定供給ができるようにいろいろな取り組みを図っております。その一環として使用済み超硬スクラップを回収し、自社でリサイクル事業を行っております。
- Q.使用済みの超硬工具はどうすればいいの?
- A.
弊社では貴重なタングステン資源のリサイクルを行っております。使用済みの超硬工具がございましたら、営業までお問い合わせください。
- Q.スクラップの回収方法は?
- A.
回収は担当者が直接お伺いし対応させて頂きます。ただし総量や、工具の種類、使用済状態、分別状態などにより異なる場合がございますので、ご不明な点は営業までお問い合わせください。
取扱い
- Q.注意点は?
- A.
超硬合金は落下衝撃等で割れることがあります。このため開梱時には、製品に欠けやクラックあるいはその他の異常がないことを確認お願いします。
- Q.超硬合金は腐食しますか?
- A.
腐食します。これは超硬合金の結合金属であるコバルトが水等と反応し溶出します。湿度の高い環境下で長時間放置していると鏡面加工した超硬合金の表面が白濁しますが、これは結露により超硬合金中のコバルトが溶出しているからです。
弊社では耐食性に優れたRシリーズ及び非磁性超硬もラインアップしております。
- Q.環境や健康への影響は?
-
A.
下記より安全データシート及び安全パンフレットをご覧下さい。
※詳細につきましては、厚生労働省ホームページをご参考頂きますようお願い申し上げます。